平成29年度 千葉愛友会記念病院病院指標

  1. 年齢階級別退院患者数
  2. 診断群分類別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)
  3. 初発の5大癌のUICC病期分類別並びに再発患者数
  4. 成人市中肺炎の重症度別患者数等
  5. 脳梗塞の患者数等
  6. 診療科別主要手術別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)
  7. その他(DIC、敗血症、その他の真菌症および手術・術後の合併症の発生率)
年齢階級別退院患者数ファイルをダウンロード
年齢区分 0~ 10~ 20~ 30~ 40~ 50~ 60~ 70~ 80~ 90~
患者数 450 46 120 256 186 146 264 421 464 192
 当院は、急性期病棟の他に病院から在宅復帰支援を行う地域包括ケア病棟やリハビリの実施を目的とする回復期リハビリテーション病棟など急性期加療以外の機能も有しており、高齢化が進んでいる社会状況の中で地域のニーズに合った医療機関を目指しております。
 近年、高齢化が進んでおり流山市の人口統計においても高齢化率23.9%(全国平均22.8%)と全国平均を上回っている状況です。
 この指標は、2017年4月1日~2018年3月31日に一般病棟を退院した患者のうち、医療保険を利用した患者さんのみを対象とし、自動車損害賠償責任保険、労災保険や自費等はふくめておりません。(入院後24時間以内に亡くなられた患者さんも対象外としています)
 2017年度の全退院患者数は2,547人、最も多い年齢層は80~89歳で464人となっており。70歳以上の割合は全体の42.3%と多くを占めており、地域社会の高齢化の影響が見て取れます。
 また、当院では産科の標榜を掲げ多くの出産にともない、病児の入院診療又は小児疾患の受入れをおこなっており0歳~9歳の退院患者が全体の17.7%を占めています。
診断群分類別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)ファイルをダウンロード
内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
040081xx99x00x 誤嚥性肺炎 手術なし 手術・処置等2-なし 副傷病なし 80 53.16 20.83 0.00% 85.63
050130xx99000x 心不全 手術なし 手術・処置等1-なし 手術・処置等2-なし 副傷病なし 40 36.40 17.71 12.50% 85.75
110310xx99xx0x 腎臓または尿路の感染症 手術なし 副傷病なし 39 49.03 12.36 0.00% 83.54
040040xx9910xx 肺の悪性腫瘍 手術なし 手術・処置等1-あり 手術・処置等2-なし 18 4.94 3.59 0.00% 70.72
060210xx99000x ヘルニアの記載のない腸閉塞 手術なし 手術・処置等1-なし 手術・処置等2-なし 副傷病なし 18 14.72 8.98 11.11% 67.11
 内科で最も多い症例は「誤嚥性肺炎」の80件となっています。「誤嚥性肺炎」とは、飲食物や唾液が食道ではなく気管に入ってしまったときに、口の中にあった細菌が気管や肺に流れ込んで起きる肺炎であり、特に高齢者に多く発生しており当院における平均年齢も85.63歳と高くなっています。
 2番目の「心不全」は、心臓になんらかの異常があり、心臓のポンプ機能が低下して全身の臓器が必要とする血液を十分に送り出せなくなった状態を言います。心不全はひとつの病気ではなく、心筋梗塞・弁膜症・心筋症などや高血圧などにより負担がかかった状態が最終的に至る症候群となります。
 肺の悪性腫瘍については内視鏡を使用し、肺内の粘膜を採取し悪性腫瘍の診断を主に行っております。
 いずれの疾患においても平均年齢が65歳以上であり、急性期加療後にリハビリを実施し、退院となるため在院日数が長期化している傾向となっております。

小児科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
140010x199x00x 妊娠期間短縮、低出産体重に関連する障害(出生時体重2500g以上) 手術なし 手術・処置等2-なし 副傷病なし 104 3.65 6.18 1.92% 0.00
080270xxxx0xxx 食物アレルギー 手術・処置等1-なし 38 1.05 2.54 0.00% 7.55
040100xxxxx00x 喘息 手術・処置等2-なし 副傷病なし 23 5.26 6.32 0.00% 4.26
140010x299x0xx 妊娠期間短縮、低出産体重に関連する障害(出生時体重1500g以上2500g未満) 手術なし 手術・処置等2-なし 19 9.47 11.49 0.00% 0.00
140010x199x1xx 妊娠期間短縮、低出産体重に関連する障害(出生時体重2500g以上) 手術なし 手術・処置等2-1あり 12 9.00 11.50 8.33% 0.00
 小児科で最も多い症例は「低出産体重に関連する障害」となっており、いくつかの病名がこの中に含まれています。当院で多い病名は「帝切児症候群」となっています。
  「帝切児症候群」とは、帝王切開術にて生まれた子供が呼吸障害、貧血、脳波の異常、水分代謝の異常ならびに体重推移の異常などの症候を呈した状態を言います。
 2番目の「食物アレルギー」ですが、小児から大人まで幅広い世代でみられる食べ物を原因とするアレルギー疾患。特定の食べ物を摂取することにより免疫システムが過剰に働き、体に不利益な症状が現れることです。牛乳で下痢をするといった乳糖不耐性や、食中毒などは含みません。当科では、アレルギーが確定しているか疑われる食品を単回または複数回に分割して摂取し、症状の有無を確認する「小児食物アレルギー経口負荷試験」を行っています。
外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
060210xx99000x ヘルニアの記載のない腸閉塞 手術なし 手術・処置等1-なし 手術・処置等2-なし 副傷病なし 20 7.35 8.98 0.00% 62.10
060150xx03xxxx 虫垂炎 虫垂切除術 虫垂周囲膿瘍を伴わないもの等 15 5.27 5.56 0.00% 37.07
160800xx99xx0x 股関節大腿近位骨折 手術なし 副傷病なし 12 68.42 15.22 8.33% 85.92
160650xx99x0xx コンパートメント症候群 手術なし 手術・処置等2-なし 10 56.60 23.78 20.00% 82.90
060150xx02xxxx 虫垂炎 虫垂切除術 虫垂周囲膿瘍を伴うもの等 - - 9.88 - -
 外科の上位症例としては、「腸閉塞(イレウス)」「虫垂炎」の症例の入院が多く、手術症例の有無により入院期間に差はありますが、「腸閉塞(イレウス)」であれば約1週間、「虫垂炎」であれば約5日間での入院期間となっています。
  「腸閉塞(イレウス)」とは腸の内容物の通過が完全にふさがれているか、深刻な通過障害をきたしている状態のことをいいます。以前に受けた腹部の手術等で生じた体内の瘢痕組織の癒着(ヘルニア)の原因の有無により「ヘルニアの記載ある腸閉塞」と「ヘルニアの記載のない腸閉塞」とに分かれています。
  「虫垂炎」とは、右下腹部にある盲腸から出ている細長い器官である「虫垂」に炎症が起きている状態を言い、当院では2017年度において87.5%の患者さんが手術適応となっています。

 ※2018年度「病院情報の公表の集計条件等」に準じ、年間10症例未満の場合は”-(ハイフン)”と表示しています。
整形外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
160800xx01xxxx 股関節大腿近位骨折 人工骨頭挿入術 肩、股等 43 58.63 27.09 0.00% 78.79
160690xx99xx0x 胸椎、腰椎以下骨折損傷(胸・腰髄損傷を含む。) 手術なし 副傷病なし 15 52.60 19.94 6.67% 82.20
160800xx99xx0x 股関節大腿近位骨折 手術なし 副傷病なし - - 15.22 - -
070343xx99x00x 脊柱管狭窄(脊椎症を含む。) 腰部骨盤、不安定椎 手術なし 手術・処置等2-なし 副傷病なし - - 11.34 - -
070210xx01xxxx 下肢の変形 骨切り術 前腕、下腿等 - - 22.62 - -
 整形外科で最も多い症例は、股関節大腿近位骨折であり、大腿骨転子部骨折又は大腿骨頚部骨折にたいして人工骨頭挿入術・骨折観血的手術を実施している症例が含まれます。
 大腿骨転子部・頚部骨折は太ももの骨(大腿骨)の付け根に近い部分の骨折であり、多くは骨粗鬆症の進んだ高齢者、女性に多く起こると言われています。転倒や非常に軽微な外傷でも発生をすることがあり、単純な骨折ではありますが体動困難となり様々な合併症を引き起こす可能性があり今後の高齢化社会において非常に重要な傷病と言えます。
 自宅などでの生活機能を改善する目的で手術後にリハビリテーションとして歩行訓練などのトレーニングを行うため平均在院日数が全国平均より長い傾向にあります。

 ※2018年度「病院情報の公表の集計条件等に準じ、年間10症例未満の場合は”-(ハイフン)”と表示しています。
脳神経外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
010060x0990201 脳梗塞(脳卒中発症4日目以降又は無症候性、かつ、JCS10未満) 手術なし 手術・処置等1-なし 手術・処置等2-2あり 副傷病なし 20 65.85 16.33 15.00% 72.35
010040x099x00x 非外傷性頭蓋内血腫(非外傷性硬膜下血腫以外)(JCS10未満) 手術なし 手術・処置等2-なし 副傷病なし 19 85.95 19.10 10.53% 68.00
160100xx99x00x 頭蓋・頭蓋内損傷 手術なし 手術・処置等2-なし 副傷病なし 10 24.80 7.34 0.00% 63.40
010060x2990401 脳梗塞(脳卒中発症3日目以内、かつ、JCS10未満) 手術なし 手術・処置等1-なし 手術・処置等2-4あり 副傷病なし - - 16.38 - -
160100xx97x00x 頭蓋・頭蓋内損傷 その他の手術あり 手術・処置等2-なし 副傷病なし - - 9.68 - -
 脳神経外科で多い症例は「脳梗塞」「脳出血」「慢性硬膜下血腫」となっています。
 「脳梗塞」とは、脳の血管が何らかの原因で狭くなる又は詰まってしまうとその先にある脳細胞に血液が十分に行き渡らなくなります。脳細胞は血液に溶けている酸素と糖分で生きているのでこれが足りなくなると脳細胞は死んでしまいます。これが脳梗塞と言います。
 当院では一般病棟と合わせて回復期リハビリテーション病棟を有しており、入院時から退院に至るまでリハビリテーションの実施をおこない、円滑に社会復帰に努めています。

 ※2018年度「病院情報の公表の集計条件等」に準じ、年間10症例未満の場合は”-(ハイフン)”と表示しています。
皮膚科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
080011xx99xxxx 急性膿皮症 手術なし 10 11.40 11.73 0.00% 76.70
080020xxxxxxxx 帯状疱疹 - - 8.95 - -
080006xx01x0xx 皮膚の悪性腫瘍(黒色腫以外) 皮膚悪性腫瘍切除術等 手術・処置等2-なし - - 8.50 - -
080007xx010xxx 皮膚の良性新生物 皮膚、皮下腫瘍摘出術(露出部)等 手術・処置等1-なし - - 4.14 - -
010111xxxxx0xx 遺伝性ニューロパチー 手術・処置等2-なし - - 13.36 - -
 皮膚科で最も多い症例は「急性膿皮症」であり、その全てが「蜂窩織炎」となっています。
 皮膚の下には皮下脂肪があり、皮下脂肪の下には筋肉が存在します。この皮膚の層構造の深いところから皮下脂肪にかけて細菌が感染した状態を「蜂窩織炎」と呼びます。重症の場合又は重症化する恐れがある場合は入院治療が必要となり、経口薬(飲み薬)ではなく静脈注射で抗菌薬を投与し治療を行います。

 ※2018年度「病院情報の公表の集計条件等」に準じ、年間10症例未満の場合は”-(ハイフン)”と表示しています。
産科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
120180xx01xxxx 胎児及び胎児付属物の異常 子宮全摘術等 59 8.81 9.75 0.00% 34.14
120010xx99x40x 卵巣・子宮附属器の悪性腫瘍 手術なし 手術・処置等2-4あり 副傷病なし 41 1.83 5.02 0.00% 63.59
120060xx01xxxx 子宮の良性腫瘍 子宮全摘術等 40 12.63 9.91 5.00% 47.00
120140xxxxxxxx 流産 39 1.26 2.43 0.00% 33.67
120010xx99x70x 卵巣・子宮附属器の悪性腫瘍 手術なし 手術・処置等2-7あり 副傷病なし 29 1.55 4.63 0.00% 50.17
 産科で特に多い症例は、「既往帝切後妊娠」及び「骨盤位」による「帝王切開術」施行の症例が大部分を占めています。
 次いで「卵巣癌」に対する抗がん剤治療、「子宮筋腫」に対する子宮全摘出術の症例、流産による子宮内容除去術等の症例を行っています。
 ※正常分娩はDPC対象外のため上記データには含まれておりません。
血液透析科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
110280xx99000x 慢性腎炎症候群・慢性間質性腎炎・慢性腎不全 手術なし 手術・処置等1-なし 手術・処置等2-なし 副傷病なし 26 87.12 12.23 73.65 7.69%
110280xx99001x 慢性腎炎症候群・慢性間質性腎炎・慢性腎不全 手術なし 手術・処置等1-なし 手術・処置等2-なし 副傷病あり - - 20.39 - -
110280xx97x00x 慢性腎炎症候群・慢性間質性腎炎・慢性腎不全 その他の手術あり 手術・処置等2-なし 副傷病なし - - 17.78 - -
110280xx97x01x 慢性腎炎症候群・慢性間質性腎炎・慢性腎不全 その他の手術あり 手術・処置等2-なし 副傷病あり - - 32.69 - -
010040x099x00x 非外傷性頭蓋内血腫(非外傷性硬膜下血腫以外)(JCS10未満) 手術なし 手術・処置等2-なし 副傷病なし - - 19.10 - -
 血液透析科では、「腎不全」に対して「血液透析」を行っている患者さんの状態悪化等の症例が挙げられています。
 「腎不全」の「腎」は「腎臓」のこと、「不全」は「正常に働かなくなった状態」のことです。「腎不全」というのは「腎臓が正常に働かなくなった病気の状態」のことで、病気の名前にもなっています。からだの中をめぐってきた血液の中の要らないものや余分な水分は、腎臓の働きで尿として捨てられます。腎不全になると、捨てなければならないものが血液中に残ったままになり、からだと心の両面に悪影響が出てきます。これに対して「血液透析」療法と呼ばれる、ろ過・排泄機能を失ってしまった腎臓のかわりに、血液中の老廃物や余分な水分除去を人工的に行う療法を実施しています。

 ※2018年度「病院情報の公表の集計条件等」に準じ、年間10症例未満の場合は”-(ハイフン)”と表示しています。
初発の5大癌のUICC病期分類別並びに再発患者数ファイルをダウンロード
初発 再発 病期分類
基準(※)
版数
Stage I Stage II Stage III Stage IV 不明
胃癌 - - - - - - 1 7
大腸癌 - 10 - 11 - - 1 7
乳癌 11 - - - - - 1 7
肺癌 - - - - - - 1 7
肝癌 - - - - - - 1 7
※ 1:UICC TNM分類,2:癌取扱い規約
【定義】
 UICC病期分類とは、がんの進行度を判定する基準として国際的に活用されている、国際対がん連合(UICC)採用の分類方法。28の部位ごとに各種の検査結果から原発がんの大きさ、広がり、深さをT分類、原発がんの所属リンパ節転移の状況をN分類、他の臓器への遠隔転移状況をM分類として区分し、それらを統合して病期(ステージ)で判定しています。
 病期はStageⅠの初期段階からStageⅣの末期までの4病期に分類されています。

「初発」とは、当院において当該腫瘍の診断、あるいは初回治療を実施した場合を指します。
「再発」とは、当院・他施設を問わずに初回治療が完了した後、当院にて患者を診療した場合や、治療がん寛解後に、局所再発・再燃又は新たな遠隔転移をきたした場合を指します。
 ※2018年度「病院情報の公表の集計条件等」に準じ、年間10症例未満の場合は”-(ハイフン)”と表示しています。

【解説】
 当院では外科において消化器関連の悪性腫瘍(胃癌、大腸癌、肝癌等)及び乳癌の治療に力を注いでいます。入院治療としては、手術適応症例及び抗がん剤投与に関する治療が行われています。
 2017年度症例数は全体で初発・再発を含め72症例あり、この中でも「大腸癌」症例37症例が最も多く、病期分類ではStageⅡ~StageⅣの分類が多くなっています。次いで多いのは「乳癌」となっており、ほとんどの症例がStageⅠとなっています。
 症例が10未満で表示が-(ハイフン)となっていますが、「胃癌」、「肝癌」対する治療及び「肺癌」分類では「肺生検」と呼ばれる検査目的による症例が行われています。
成人市中肺炎の重症度別患者数等ファイルをダウンロード
患者数 平均
在院日数
平均年齢
軽症 10 8.00 44.40
中等症 16 42.64 87.27
重症 45 50.95 81.03
超重症 13 43.3 85.5
不明 - - -
【定義】
市中肺炎とは病院外で日常生活をしていた人に発症する肺胞(はいほう:空気がたまるところ)の急性炎症です。
対象症例は入院時点で20歳以上の患者さんを集計しています。
 重症度は市中肺炎ガイドライン重症度分類A-DROPにより分類しています。
  A:年齢(Age) 男性70歳以上、女性75歳以上
  D:脱水(Dehydration) BUN(尿素窒素)21mg/dl以上または脱水あり
  R:SpO2低下(Respiratory failure) SpO2<=90%(PaO2 60Torr以下)
  O:意識障害(Orientation disturbance) 意識障害あり
  P:血圧低下(shock blood Pressure) 収縮期血圧90mmHg以下
   ※5点満点で、1項目該当すれば1点、2項目該当すれば2点。
     軽症:0点の場合
    中等症:1~2点の場合
     重症:3点の場合
    超重症:4~5点の場合。ただし、ショックがあれば1項目でも超重症とする。
     不明:重症度分類の各因子が1つでも不明な場合。

【解説】
 2018年度集計では、全体で84症例でした。特に多かった重症度分類は「重症」45症例で全体の53.8%を占めています。
 肺炎は日本における死因統計においても上位に挙げられており、羅漢率や死亡率は高齢者において顕著である。当院の統計においても、「軽症」症例では平均在院日数8日と短く、平均年齢は44.4歳となっていますが、中等症~超重症では平均在院日数も長くなっており平均年齢も80歳以上と高くなっています。
 全国の死因統計においても肺炎が上位に挙がるように、高齢の方の肺炎罹患は重症事例となる可能性が高いため、肺炎球菌ワクチンの接種や医療機関への早期受診をおすすめ致します。
脳梗塞の患者数等ファイルをダウンロード
発症日から 患者数 平均在院日数 平均年齢 転院率
3日以内 31 72.61 75.32 6.35%
その他 32 88.81 74.06 11.11%
 この統計は、医療資源を最も投与した傷病のICD10がI63$(脳梗塞)である症例を集計しております。
 「3日以内」の症例は初期治療から実施していることから平均在院日数が「その他」の場合と比べ長くなっています。いっぽう「その他」の場合は他院にて初期治療を終えてからのリハビリテーション継続目的での転院であり、当院では一般病棟と合わせて回復期リハビリテーション病棟を有しており、入院時から退院に至るまでリハビリテーションの実施をおこない、円滑に社会復帰に努めています。
診療科別主要手術別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)ファイルをダウンロード
内科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K7211 内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術(長径2cm未満) 65 1.97 2.23 0.00% 66.85
K664 胃瘻造設術(経皮的内視鏡下胃瘻造設術、腹腔鏡下胃瘻造設術を含む) 11 67.82 173.18 0.00% 83.64
K6871 内視鏡的乳頭切開術(乳頭括約筋切開のみ) - - - - -
K7212 内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術(長径2cm以上) - - - - -
K386 気管切開術 - - - - -
 内科では、内視鏡を使用した手術が多く行われています。最も多い手術は「内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術」であり、主に上行結腸・横行結腸・S状結腸に出来たポリープ切除が行われています。
 2番目に多い、「胃瘻造設術」は内視鏡を使って「おなかに小さな口」を造る手術をおこない、胃内に管を通し、口から食事のとれない方や、食べてもむせ込んで肺炎などを起こしやすい方に、直接胃に食物・水分や医薬品を流入させ投与するための手術です。

 ※2018年度「病院情報の公表の集計条件等」に準じ、年間10症例未満の場合は”-(ハイフン)”と表示しています。
小児科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K9131 新生児仮死蘇生術(仮死第1度) - - - - -
- - - - - - -
- - - - - - -
- - - - - - -
- - - - - - -
 小児科では手術症例はほぼ実施されておらず、上記に挙げられている「新生児仮死蘇生術」についても年間症例数が10症例未満の為、“-(ハイフン)”での表示となっております。

 ※2018年度「病院情報の公表の集計条件等」に準じ、年間10症例未満の場合は”-(ハイフン)”と表示しています。
外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K7211 内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術(長径2cm未満) 50 0.02 0.98 0.00% 65.20
K6335 鼠径ヘルニア手術 21 1.10 2.10 0.00% 70.29
K7182 虫垂切除術(虫垂周囲膿瘍を伴うもの) - - - - -
K4762 乳腺悪性腫瘍手術(乳房部分切除術(腋窩部郭清を伴わない)) - - - - -
K718-21 腹腔鏡下虫垂切除術(虫垂周囲膿瘍を伴わないもの) - - - - -
 外科で最も多い症例は「内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術」であり主に上行結腸・横行結腸・S状結腸に出来たポリープ切除が行われています。
 2番目に多い手術は「鼠径ヘルニア」となっており、「鼠径(そけい)」とは太ももの付け根部分のことを言い、「ヘルニア」は体の壁の構造に異常が起き、本来中に納まっているものが脱出している状態を表現する言葉です。「鼠径ヘルニア」とは「鼠径(そけい)」にある腹壁の開口部から、腸管の一部が突出した状態のことを言います。

 ※2018年度「病院情報の公表の集計条件等」に準じ、年間10症例未満の場合は”-(ハイフン)”と表示しています。
整形外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K0461 骨折観血的手術(大腿) 25 3.48 56.88 0.00% 80.60
K0811 人工骨頭挿入術(股) 20 5.05 44.25 0.00% 76.95
K0731 関節内骨折観血的手術(膝)、(肘) - - - - -
K0462 骨折観血的手術(下腿)、(前腕) - - - - -
K0463 骨折観血的手術(鎖骨)、(足)、(膝蓋骨) - - - - -
 整形外科で多い手術は、「骨折観血的手術(大腿)」「人工骨頭挿入術(股)」であり、整形外科で最も多い症例である、股関節大腿近位骨折(大腿骨転子部骨折又は大腿骨頚部骨折)に対して実施されている手術であります。

 ※2018年度「病院情報の公表の集計条件等」に準じ、年間10症例未満の場合は”-(ハイフン)”と表示しています。
脳神経外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K164-2 慢性硬膜下血腫穿孔洗浄術 - - - - -
K664 胃瘻造設術(経皮的内視鏡下胃瘻造設術、腹腔鏡下胃瘻造設術を含む) - - - - -
K1742 水頭症手術(シャント手術) - - - - -
K145 穿頭脳室ドレナージ術 - - - - -
K0063 皮膚、皮下腫瘍摘出術(露出部以外)(長径6cm以上12cm未満) - - - - -
 脳神経外科で多い手術は、「慢性硬膜下血腫穿孔洗浄術」は「慢性硬膜下血腫」と呼ばれる脳と頭蓋骨の間に血液が貯留する病気にたいして行われる手術です。手術は頭蓋骨に小さな穴をあけ、そこから血腫を洗い流す手術となります。
 2番目に多い、「胃瘻造設術」は内視鏡を使って「おなかに小さな口」を造る手術をおこない、胃内に管を通し、口から食事のとれない方や、食べてもむせ込んで肺炎などを起こしやすい方に、直接胃に食物・水分や医薬品を流入させ投与するための手術です。

 ※2018年度「病院情報の公表の集計条件等」に準じ、年間10症例未満の場合は”-(ハイフン)”と表示しています。
皮膚科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K0072 皮膚悪性腫瘍切除術(単純切除) - - - - -
K0062 皮膚、皮下腫瘍摘出術(露出部以外)(長径3cm以上6cm未満) - - - - -
K0063 皮膚、皮下腫瘍摘出術(露出部以外)(長径6cm以上12cm未満) - - - - -
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 皮膚科では外来においても「皮膚、皮下腫瘍摘出術」が実施されており、一部が入院手術として行われています。

 ※2018年度「病院情報の公表の集計条件等」に準じ、年間10症例未満の場合は”-(ハイフン)”と表示しています。
産科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K8982 帝王切開術(選択帝王切開) 53 2.34 6.94 0.00% 33.60
K877 子宮全摘術 40 1.43 10.43 2.50% 52.05
K8882 子宮附属器腫瘍摘出術(両側)(腹腔鏡) 39 1.10 4.08 0.00% 38.69
K8981 帝王切開術(緊急帝王切開) 31 1.23 7.06 0.00% 33.97
K9091 流産手術(妊娠11週まで) 27 0.00 0.07 0.00% 34.85
 産科で多い症例は上記のとおりとなっており、産科の「診断群分類別患者数等」資料でも上位に位置している「既往帝切後妊娠」及び「骨盤位」に対して実施される「帝王切開術」が選択・緊急を合わせ84症例となっています。
 次いで、主に「子宮筋腫」に対して実施されている「子宮全摘術」40症例、「卵巣嚢腫」に対して実施されている「子宮付属器腫瘍摘出術」39件、「流産手術」27件となっています。
 産科入院の全体の症例件数が553件であり、この中の338症例の61.1%が手術適応となっております。
血液透析科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K664 胃瘻造設術(経皮的内視鏡下胃瘻造設術、腹腔鏡下胃瘻造設術を含む) - - - - -
K0461 骨折観血的手術(大腿) - - - - -
K6871 内視鏡的乳頭切開術(乳頭括約筋切開のみ) - - - - -
K616-4 経皮的シャント拡張術・血栓除去術 - - - - -
K654 内視鏡的消化管止血術 - - - - -
 血液透析科では、「腎不全」に対して「血液透析」を行っている患者さんの入院に伴い、手術が行われることがあります。
 中でも「経皮的シャント拡張術・血栓除去術」は血液透析を実施されている患者さんに起こった「シャント狭窄」「シャント閉塞」に対応する手術となります。
「シャント」とは血液透析を行うためには血液を体内から透析回路内に血液を流すため、血液の取り出し口が必要になり、専用の人工血管です。

 ※2018年度「病院情報の公表の集計条件等」に準じ、年間10症例未満の場合は”-(ハイフン)”と表示しています。
その他(DIC、敗血症、その他の真菌症および手術・術後の合併症の発生率)ファイルをダウンロード
DPC 傷病名 入院契機 症例数 発生率
130100 播種性血管内凝固症候群 同一 - -
異なる 12 0.47%
180010 敗血症 同一 - -
異なる - -
180035 その他の真菌感染症 同一 - -
異なる - -
180040 手術・処置等の合併症 同一 - -
異なる - -
 入院契機と「同一」「異なる」ですが、入院した時点で既に発症していた疾患であれば「同一」、入院した後に発症した疾患であれば「異なる」を意味しております。
 これらの疾患は治療を行っていく中で、完全にゼロとすることは出来ないものの、少しでも改善すべきものとして医療の質の改善のための指標となっております。当院での発生率は多いもので0.47%、それ以外の項目は10症例以下の為、表示が-(ハイフン)となっておりますが、0.08%~0.27%と低いものとなっています。
 「播種性血管内凝固症候群(DIC)」とは、小さな血栓が全身のあちこちで起きて、細い血管を詰まらせてしまう病気です。血液凝固が増加することで出血の抑制に必要な血小板と凝固因子を使い果たしてしまい、過度の出血を引き起こすことがあります。感染やがんなどの病気、出産、胎児の死亡、手術など何らかの物質が血液に入った場合、過度の血液凝固の要因となります。また、重度の外傷、ショック、熱傷、凍傷、その他の外傷により組織が損傷した場合などでリスクが発生します。
 「敗血症」とは、菌血症やほかの感染症に対する重篤な全身性の反応をいいます。重症になってしまう要因として、免疫反応の機能低下、特定の慢性疾患、人工関節や人工心臓弁の使用、特定の心臓弁の異常といった条件下ではリスクが高くなると言われています。

 ※2018年度「病院情報の公表の集計条件等」に準じ、年間10症例未満の場合は”-(ハイフン)”と表示しています。
更新履歴
2018/9/21
2017年度 病院指標公開